ウォーキングを始める前の日の出来事

朝、目覚まし時計のアラームが鳴り、ぼんやりと目を覚ます。ああ、今日は仕事の休養日だ。
しかし、のんびりする暇もなく、リンパ腫の血液検査のため、病院へのタクシーの予約をする。

指定した時間通りにタクシーがついた。
乗車すると、ドライバーのおじさんが元気よく「いい天気ですねー!」と挨拶してくる。

「はい」

確かにそうだがこれからの検査の結果次第だ。
車内はクーラーで涼しいが、ここ札幌は今日も35度まであがるようだ。

9時に病院の受付を終え、血液採取のため待っていると、白衣の看護師さんが「次です」と声をかけてくる。血液採取を済ませ、待合室で待つこと1時間。この間、病院の中にあるコンビニでエスプレッソを飲む。

普段エスプレッソは飲まない。コーヒーだと思い推したボタンが違ったらしい。量が少ないのでジッと待っていると店員が「コーヒーに代えますか?」と近づいてきた。やっとエスプレッソだと理解する。

店員には「いいよ、エスプレッソで」と返す。本当はコーヒーが飲みたかったが気の弱い私は言えなかった。

「なんだか不運だわ」とふと頭によぎった。「検査はどうだったんだろう」と不安がよぎる。

やがて、医師の呼び出しを受け、びくびくしながら診察室に入る。聞き間違えなのか?「異常なし」との結果に、一瞬、言葉を失う。つい先日、高額なPET検査を受け、最悪の結果が出ることを恐れていた。

その結果、今日の精密検査を受けてきたのだが、まさかの「まさかの異常なし」。
おまけに「コーヒーとエスプレッソを間違ったのに・・・」、「まさかの異常なし」。

心の中で一喜一憂する。「よかった!健康だ!」と喜びたいが、PET検査のことが頭をよぎる。高額な費用をかけて、何のために!?と思うが、健康であることに感謝しなければと思う。

病院を出ると、気持ちの良い風が顔を撫でる。心に決める。「これからも、健康のためにウォーキングを続けよう!」と。

そう決意し、歩き出す足取りは、いつもよりも軽やかと感じる。
タクシーできた道を帰りは歩いて帰った。

帰る道すがら、「エスプレッソとコーヒー」のこと、pet検査の料金と精密検査の料金のことを考えながら歩く。

仕方がないか?間違いばかりだったが、自分は健康だ。それ以上の何を望む?
自分の考えに妙になっとくした一日だった。